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ここが素晴らしくてここが惜しい:スターウォーズEp.8 最後のジェダイ(ネタバレ)

「スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」も素晴らしい作品だった。EP5のとき同様、複数の場所で同時に起こる出来事を並行して描くスタイルで、レイルークフィンローズレイアポーホルド、それぞれの戦いが劇的な最後のシーンに向けて収束していく。

以下ネタバレを含む

すばらしいところ

・強烈な絶望感

EP8はEP5と同様、絶望的な状況をギリギリで切り抜けたと思ったら、さらに絶望的な状況に追い込まれ、首の皮一枚で生き延びる。EP5よりもさらに過酷になっており、反乱同盟軍時代からみても最悪の状況。レジスタンスは十数名の戦士とミレニアム・ファルコンを残すのみとなってしまう。(こうなったのも新共和国が30年間平和ボケしていたからでもあるのだが)

この絶望感の中で、最後のジェダイが希望となっていく様が熱く語られる。凄まじく絶望的な状況だからこそ、最後のシーンのフォースを操る少年が強烈なカタルシスを生み出す。まさに新時代のスターウォーズにふさわしいエンディングとなった。

・カイロ=レンの覚醒

EP8の主人公は実はカイロ=レンなんじゃなかったか。EP4-6ではダースベイダーは結局皇帝の右腕のままEP6を迎え、最期はライトサイドに戻って終わるが、カイロ=レンはそうではなかった。前作では意図的に(?)小物感が出されていたカイロ=レン。そして最終的にライトサイドに戻ってきてしまうのではないかと心配されたカイロ=レンだが、そんな彼がスノークを両断し、新しい最高指導者を名乗るシーンはエンディングに劣らないカタルシス。

「Let the past die. Kill it, if you have to.(過去は殺せ。必要があるのなら)」

銀ピカのキャプテンファズマも今回は冷酷さと強さを遺憾なく発揮して、前作の小物汚名を返上した。ああ、最期はやっぱり落ちるのね。

・ポーグ!

全体的に悲壮感あふれる映画だが、重くなりすぎることの無いよう小さい羽をバタバタさせながらバランスをとる愛すべきクリーチャー。

こいつだ!

おしいところ

・主要キャラが多すぎる

EP4の主要味方キャラは、ルークオビ=ワンハン=ソロチューバッカレイアR2-D2C-3PO7人だった。EP5ではオビ=ワンが降板して(霊体は残るけど)ヨーダランド=カルリジアンが登場、EP6ではヨーダが降板してイウォークのウィケットが加わる。

同じようにEP1ではアナキン・オビ=ワン・クワイ=ガンパドメジャージャー・R2-D2・C-3PO。EP2ではクワイ=ガンが降板、ジャージャーも干され…出番がやや少なくなり、代わりにヨーダとメイス=ウィンドウが主要キャラに格上げ。EP3も同じメンバーで続く。つまり、1-6の映画においては、主要味方キャラがほとんど7人前後で人数が固定されている。

ついでにEP7においてはレイ・フィン・ポー・BB-8・ハン=ソロ・チューバッカ・マズ・レイアの8人が主要キャラに数えられるだろう。またローグワンではジンキャシアンK-2SOチアルートベイズボーディ―ソウ=ゲレラゲイレンの8人。1-6でのキャラ人数制限がここでも活きている。この7人前後というのはある種のマジックナンバーで、これより多すぎるとキャラがあんまり覚えられなかったりする。

それに対してEP8の主要味方キャラは、7から引き続き登場するレイ・フィン・レイア・チューバッカ・ポー・BB-8に加え、8はルークが復活し、C-3POとR2-D2もなかなかの勢いでストーリーに絡んでくる。さらに新キャラのローズ、アミリン=ホルド、微妙なラインだがDJも登場し、主要味方キャラと言えるのが総勢11人に増える。特に新規ファンが「難解」と語るのは、ストーリーが込み入っているというより、単にキャラクターがゴチャゴチャし過ぎているからではとも思える。

※七人の侍はまさしく7人なんだけど、実は主要キャラはもう少し多い。誤解を恐れずに言えば、あまり印象に残らない侍もいる

・そんなのありかよパワー

超巨大戦艦を一撃で破壊する(しかも宇宙なのになぜか下向きに重力が働く)爆撃機あたりはまだいい。まずフォースが万能すぎる。フォースの力で宇宙を飛ぶレイア、気づかれないまま2人の人間の間にリンクをつくるスノーク、フォースの力で遠く離れた惑星に幻を創るルーク。(しかもそれで力を使い果たしてルーク去る!)

そして何よりハイパードライブによる超光速突撃の凄まじい威力!最初から使っとけや!応用すれば超強力なミサイルなんかも作れそう。「そんなのありかよ」は一度ぐらいなら映画にいい刺激を与えてくれるが、こう何度も「そんなのありかよ」が続くと段々観客がついていけなくなって、しまいには「何でもありなのね」という諦めに似た了解になってしまう。

(ただ超光速突撃のシーンは非常に美しく、凄みのある仕上がりで、映画の中で最も印象に残るシーンのひとつでもある)

・おしゃべりスノークとチキンハックス

今回のスノークはよくしゃべる。スノークの暗黒面の力はものすごく強大なので、しゃべって自慢したくなるのはわかるが、レイとカイロ=レンを前にごちゃごちゃしゃべりすぎて結局死ぬという、昔ながらの悪役的死に方になってしまった。ジェームズ=ボンドを捕らえ、すぐ殺せばいいものを長々と自分の経歴やら作戦の詳細やらを語り、やたらと凝った処刑方法を試みて結局脱走された挙句、作戦を妨害されて死ぬタイプの悪役。

ハックスはハックスで相変わらずの小物っぷりを発揮する。特にスノーク殺害後のカイロ=レンに詰め寄った次の瞬間、お約束のフォースグリップで締め上げられ、「はい…最高指導者サマ」とあっさり降伏するヘタレっぷり。覚醒したカイロ=レンはともかく、スノークとハックスのキャラ設定はちょっと懐古趣味が過ぎる気がする。

・ムダな秘密とムダな暴走で被害が増えるパターン

今回のエピソードの中盤は、艦を捨てながら敵の追撃を逃れている中で、

ホルド「全部捨てて逃げます」→ポー「そんなバカな!」→フィン&ローズ「追跡装置を無力化できるかも」→ポー「よしクーデターだ!」

→フィン&ローズ、得体の知れないハッカー(DJ)を連れてくる→ホルド「実はこんな作戦があったの!」→ポー「そうだったのか!納得!」→ハッカーあっさり裏切る→あああ作戦が…!

という流れになっている。

ホルドはなぜポーにクレイトへの撤退作戦のことを黙っていたのか。スパイの存在でも恐れたのか。(仮にスパイがいたらホルドの作戦でもポーの作戦でも無意味!)単に説明するのがめんどくさくなったのか。おかげでポーとフィン&ローズは暴走し、わけのわからんハッカーを連れてきたら案の定裏切られる始末。(ついでにこのハッカーはどうやってホルドの作戦のことを知っていたのか)

最初からホルドが全員に対し作戦を説明していれば、作戦は問題なく進み、ずっと被害は小さくなっていたのではないだろうか。部下にはちゃんと説明しようよホルドさん。

何にしろ、このスターウォーズEP8が素晴らしい作品であることは間違いなく、序盤の宇宙戦から終盤のクレイトの戦いに至るまで見どころがたくさんある。この先も何度も繰り返してみることになるはずだ。

#スターウォーズ #SF映画 #STARWARS

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