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スターウォーズEp.2クローンの攻撃がよくわからない話になった原因(ネタバレ)

スターウォーズEP2を絶賛する人は見たことがない。むしろ酷評する人のほうが多いぐらいで、スターウォーズシリーズの中でもある種の問題作となってしまっている感がある。まあ一番よく言われているのが「ヘイデン笑」で、微妙にウジウジしてるしどうでもいいことでやたらとキレる。こりゃあダークサイド落ちるわ

たしかに僕も「素晴らしい映画」とは言わないけれど、僕としてはとても楽しめるしなんだかんだ何度も見ている映画だ。序盤のコルサントの追撃シーンから、ジオノーシスの戦いまで、見どころがたくさんある。

でもその一方でこの映画のストーリーはいまいちスッキリしない。なんでこうなったんだよ、という展開で結局よくわからない話になってしまっている。ただ冷静にストーリーを分析してみると、よくわからない話になったしまった原因は一箇所に集約されるのだ。

以下ネタバレを含む

それはジャンゴ=フェットである。

EP2の全体的なストーリーを振り返り、ジャンゴ=フェットの役割を押さえていこう。

まずEP2は銀ピカのナブー船がコルサントに降りるところから始まる。このナブー船には元老院議員パドメ=アミダラが乗っている。アミダラ議員はこのとき、独立星系連合に対抗するための軍隊創設法案に反対しており、法案支持派によって命を狙われていた。そのためアミダラ議員は影武者を使い、自らは護衛戦闘機のパイロットに変装していたが、彼女の目の前で船は爆発、影武者のコーデが命を落とす。

この暗殺事件未遂事件の実行犯は賞金稼ぎのザム=ウェセルだった。ウェセルは同じく賞金稼ぎのジャンゴ=フェットとともに行動しており、アミダラ議員の生存を知ると再度殺害を試みる。ところがアミダラ議員の護衛についていた2人のジェダイ(オビ=ワンとアナキン)がこれを阻止、逆にウェセルは2人に追い詰められる。ここでジャンゴ=フェットが口封じのためウェセルを殺害する。

オビ=ワンはウェセルを殺した武器がカミーノ=セイバーダートであることを突き止め、武器の出処である惑星カミーノに向かう。奇妙なことに惑星カミーノに関するデータはジェダイアーカイブから削除されていた。カミーノに着いたオビ=ワンは、10年以上前に死亡したジェダイマスター「サイフォ=ディアス」の使いだと勘違いされ、クローン兵の製造が順調に進んでいることを聞かされる。そしてそこでクローン兵のDNAの提供者である、ジャンゴ=フェットと出会う。ジャンゴは自らの完全なクローンであるボバを連れてカミーノから消える。

ここまでの話をまとめると以下のようになる

・共和国から分離しようとする独立星系連合(分離主義陣営)と戦争が起ころうとしている

・共和国内が軍隊創設法賛成派と反対派で分裂している。アミダラ議員は反対派中核メンバーのひとりである

・サイフォ=ディアスは生前、秘密裏にクローン兵による軍隊創設を目論んでいた。またそれを隠蔽するためにカミーノに関するデータを抹消した

・サイフォ=ディアス死後もクローン軍創設を目論む一派(以下クローン推進派)が存在し、暗殺などの過激な手段を取っている

・ジャンゴ=フェットやザム=ウェセルはこのクローン推進過激派に雇われている

ここまでは(ややわかりづらいものの)完全に筋が通っているのだが、ここからジャンゴはおかしな行動に出る。

消えたジャンゴの船にはオビ=ワンの発信機が仕掛けられており、オビ=ワンはそれを追跡してジオノーシスに着陸する。ジオノーシスには独立星系連合の巨大ドロイド工場が存在し、ドゥークー伯爵の指揮のもと大量のドロイドを生み出していた。オビ=ワンは捕らえられ、それを救出に向かったアナキンとアミダラ議員も捕らえられてしまう。処刑されようとする3人。

そこにメイス=ウィンドゥ率いるジェダイ騎士団が現れ、3人を救出しようとする。ところが大量に現れるドロイド軍団の前にひとり、またひとりと倒れていく。高所から見下ろすドゥークーの傍らにはジャンゴ。そしてドゥークーを守ろうとしたのか、戦場の真ん中に飛び込んだ彼は、ウィンドゥの圧倒的な力の前に戦死してしまう。意外と忠義のあるやつなのかもしれない。

あれ? ジャンゴは共和国クローン推進派に雇われていたんじゃなかったっけ?独立星系連合にも雇われているの?

じゃあこのクローン兵ってあからさまに怪しいんじゃ…え、もしかしてその得体の知れないクローン使っちゃうんですか?

はい、バンバン使っちゃいます。そしてジオノーシスの独立星系連合軍をどんどん追い詰めていく。そして最終的にドゥークーをあと一歩のところまで追い詰めるものの、結局ドゥークーは逃げおおせる。

つまり、結局のところEP2をわけのわからない話にしてしまった張本人はジャンゴ=フェットなのだ。共和国のクローン推進派の暗殺者かと思いきや、独立星系連合の星に行っちゃうし、思いっきりあからさまに共和国と独立星系連合の両者に通じている。だからもう、クローン兵はどう考えても怪しいシロモノでしかないのに、ジェダイたちは何故か安心してバンバン使っちゃっている。結果的にEP3の終盤では大変なことになってしまうわけだ。

ではどうすればよかったのか。

一番自然なのは、クローン兵製造がわかった段階で、クローン推進派という共和国の暗部を追求していく展開。で、その暗部を明るみに出し、元老院が軍隊創設法案否決の方向に向かい始めたところで大規模なドロイド攻撃が起こる。ジャージャーはパドメと袂を分かち、パルパティーンに非常事大権を与える緊急動議を出す。クローン大戦勃発!

ただこの展開はかなり地味だ。ジェダイがライトセーバーを振り回して活躍するシーンもあまり入れられそうにない。

もうひとつの案は、カミーノ脱出後のジャンゴは一旦置いて、アナキンとアミダラがジオノーシスのドロイド製造を突き止める展開。で、アミダラ議員は共和国・独立星系連合間の開戦を回避するため、アナキンとともにドゥークーとの交渉に赴く。話のわかる人間かと思わせておいて2人を捕らえ、処刑台に引きずり出すドゥークー。そこへオビ=ワンとウィンドゥのジェダイ軍団が現れる。戦いの中で危機に陥るオビ=ワンを、狙撃で助けるのが因縁あるジャンゴ=フェット。現れるクローン軍団。あとはだいたい同じ。

地下で暗躍していたクローン推進派たちが大手を振って元老院を牛耳るようになり、アミダラ議員は全面的な戦争がもはや避けられないことを悟る。その中で少しでも犠牲を減らすために全力を誓うアミダラ。見守るアナキン。

これならジェダイも大活躍だし、ボバ=フェットファンも納得のカッコいいジャンゴも出せるし、ナブーのお花畑シーンもカットできてとてもいい感じなんじゃないかな。

#STARWARS #スターウォーズ #SF映画

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