Foyle&Zo "Simple Things" 存在しないはずの完璧:エモーショナルクラブ音楽ガイド
何をもって完璧というのか、そもそも完璧など存在しないのが音楽の世界だが、それでも(少なくともメロディック・プログレッシブ・ハウスという限られたジャンルにおいては)完璧というコトバを使いたくなるのがFoyle&Zoの「Simple Things」。Mike FoyleとMat Zoのコラボレーションで、メロディックプログレッシブ全盛期の2011年の曲。
・ツボを抑えたシンプルなドラムパターン
ハウスドラムは簡単。4つキックを並べて間にハイハットを入れれば完成、と思っているならばそれは大間違いだ。各パートの音作りや音量バランス、左右の定位、ゴーストノートやわずかなタイミングのゆらぎ、非常に奥が深い。素晴らしいドラムパターンはそれだけで踊れる。そしてSimple Thingsのドラムパターンはそうした素晴らしいドラムパターンのひとつだ。
・ベースとシンセリフ、シンセプラックの完全融合
Simple Thingsの曲の作りはタイトルほどシンプルではない。何度もよく聞けばベースとシンセリフ、シンセプラックがおそろしく緻密に絡み合っていることがわかるはずだ。この緻密さが全体を通してのグルーヴ感を生み出している。
・突き抜けるようなピアノ!
シンプルなピアノのフレーズがブレイクダウンを色鮮やかにする。すばらしい音色とメロディだ。よく聞くとブレイクダウンを通して雨のようなノイズが加えられている。こういうわずかなテクニックが曲全体に驚くべき広がりを与える。
BPMは安定の128。4つ打ち系トラックの基本通りの展開なのでミックスはし易い。Eメジャーという、やや少数派な感のあるキーなので、ハーモナイズミックスするときの選曲は限られるかもしれない。
https://www.beatport.com/track/simple-things-feat-zo-simple-things/3034228
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