Emu-1820mのコンデンサを交換した話
2005年頃に登場したEmu-1820mは、価格を超えた音質(当時のPRO TOOLSのオーディオIFと同じDA回路らしい)で、10年以上代々のメインPCに載せ換え載せ換え使い続けています。
で、この愛機ともいえるEmu-1820mが、この春ついに故障してしまいました。が、各所の情報を参考に、無事修理に成功しました。日本でEmu-1820mを使い続けている人がどれほどいるのかわかりませんが、もし同じ症状でお困りならば直せる可能性が高いです。症状は以下の通り。
症状1:オーディオ出力が安定せず、突然音が途切れる
症状2:オーディオの出力音量が異常に小さい
症状3:Patch Mix DSPをちゃんと設定しても音が出ず、ピークメーターだけが最大値に振り切れている
海外フォーラムを漁ってみると、どうやらブレイクアウトボックス内部のコンデンサに起因する問題だということ。内部のコンデンサのうち、2つがよくダメになり、上記の症状が発生するとのことです。この2つを交換してやれば、ほとんどの場合Emu-1820mは復活します。
http://www.badcaps.net/forum/showthread.php?t=10362(英語)
画像真ん中の隣接した2つがダメになったコンデンサです。
ほかのコンデンサと比べると、わずかに膨らんでいます。

実物を見ればもっとはっきり膨らんでいるのがわかると思います。
要はこの2つを新品のコンデンサと交換してやればよいわけです。
コンデンサは静電容量680μF 耐電圧10Vの低インピーダンス品がベストです。
耐電圧は10Vより高くても特に問題はないですが、サイズの余裕があまりないので注意。
もとのコンデンサは直径10mmです。
また一般的には日本製が高耐久・高品質と言われています。
条件にピタリ一致するのがPanasonic EEU-FM1A681です。
僕はマルツ電機で買いましたが、今見たら同商品の取り扱いがありませんでした。
代わりにワングレード上のコンデンサが検索ヒットしました。
これもスペック的に文句なしですね。
https://www.marutsu.co.jp/GoodsDetail.jsp?salesGoodsCode=63870&shopNo=3
全然関係ないですけどマルツ電機はうちの実家(福井県)の目と鼻の先にあります。
本社機能は東京に移ったようですが、まあ、福井のご当地企業と言えるので応援応援。
このコンデンサを交換するには、写真右上と左上のボードを外してから、メインボードの四隅と真ん中のねじを外して裏側の金属ケースを外す必要があります。あとは以下のサイトを参考に交換すればOKです。
http://www.kishiro.com/hardware/replace_expanded_capacitor.html
http://www.murata.com/ja-jp/campaign/ads/japan/elekids/ele/craft/knack/soldering
はんだ付けは中学生の技術の授業以来であんまりキレイには仕上がりませんでしたが、どうにかしっかりとくっつけられました。見栄えをあまり気にしなければ、たいていの人ができる作業だと思います。そんなに時間もかかりません。(僕は40分ぐらいでした)
工具を含めて必要なものを整理すると以下の通りです。
・コンデンサ(680μF 10V)2つ
・はんだごて
・はんだごて台
・はんだ
・吸取線
・ニッパー
・+ドライバー
・2mm六角スパナ(ケースを外すのに必要)
全部一からそろえても、3000円しないと思います。
ちなみに症状1しか出ていない場合、単純にブレイクアウトボックスへのケーブルが断線している可能性が高いです。このケーブルはLANケーブルと同一規格なので、その辺で代わりのケーブルが買えます。シールド処理されたものが良いとのこと。ちなみに現時点最新規格の「カテゴリー7」のLANケーブルはすべてシールド処理されているので、わからないときはカテゴリー7のケーブルを買えば問題ないです。